日本のここらで。

自分のいる日本のここらへんで起こった事を記します。

テスト 川崎のお寿司屋さんのレビュー

古びたたたずまいのお店。
何度か前を通ったが昼間に開いているのは見たことがない。
引き戸を開けると、中は昭和の田舎のお婆ちゃんの家のようだ。
年配のご夫婦が営んでらっしゃる。

店の外にも内にも価格表と思しき物は見当たらず、
席に座ると「握りますか?」とご主人に聞かれる。
カウンター席の両側には般若と女面が掛けてあり、壁には高橋由一の鮭と思しき絵が貼ってある。カウンターの下のタイルが激しく欠けている。
なにか混沌としているのだ。

ガラスケースに掲げられたネタの札を頼りに注文してみる。
お寿司は1種2個づつ出てくる。これが存外美味しい。
酢飯が非常に柔らかく握られており、ネタにきちんと仕事がされている。
まこがれいと炙ったのどぐろは、塩でいただく。
ウニをお願いしたら「バフンと紫と生があります」との事。
酢飯は決して強くは無い。

値段を気にせず食べたいものを頼んで、
にぎり9貫(18個)に干瓢巻で8000円プラス税だった。
お酒を飲むなら腹いっぱい食べて1万円というところか。
日本酒は獺祭 、十四代、久保田萬壽など。

デートや記念日に向いているとは思えない。
また、カウンターに火鉢型の灰皿が堂々と置かれているため、
味にこだわる方を連れて行くのもはばかられる。
鉄工が賑わっていた頃、社用で使う人が多かったのだろう。

それでも、美味しいお寿司屋さんの少ない川崎で、
お寿司にコストパフォーマンスを求めない向きにとっては、
存在自体が貴重な店だと思う。